図面判読読了時間 10 分
寸法より先に表題欄を確認する
材質、版数、尺度、投影法は図面全体の読み方を決めます。見積りや加工を始める前に、表題欄で確認すべき項目を整理します。
01第一角法と第三角法
第一角法と第三角法では、各投影図の配置が逆になります。方式を取り違えると、形状の左右を誤って読むおそれがあります。図を追う前に、表題欄の投影法記号を確認します。
| 第一角法(E) | 第三角法(A) | |
|---|---|---|
| 右側面図の位置 | 正面図の左 | 正面図の右 |
| 平面図の位置 | 正面図の下 | 正面図の上 |
| 考え方 | 物体が観察者と投影面の間 | 投影面が観察者と物体の間 |
| 主な地域 | 欧州、台湾、日本、中国 | 北米、豪州 |
02表題欄の基本項目
ISO 7200は表題欄のデータ項目を定めていますが、配置は会社ごとに異なります。図番、版数、単位、材質、投影法、承認情報など、その図面の解釈に関わる項目を先に確認します。
| 項目 | 内容 | 欠けたときに起きること |
|---|---|---|
| 図番 | 一意の識別子 | 追跡もファイリングもできない |
| 版数 | A / B / 01 / 02 | 旧版で作ってしまう |
| 割合 | 1:1、1:2、2:1 | 実寸を読み違える |
| 単位 | mm か inch か | 図面全体が 25.4 倍ずれる |
| 投影法 | 第一角/第三角の記号 | 鏡像品ができる |
| 普通公差 | ISO 2768-mK など | 公差指示のない寸法を判定できない |
| 材種 | 材種記号と規格 | 手配も追跡もできない |
| 表面処理 | アルマイト、亜鉛めっき、黒染め | 寸法判定の基準が不明 |
| 設計/作図/検図 | サイン | 責任を追跡できない |
尺度の落とし穴
尺度1:2は図上の表示が実物の半分であることを示しますが、記入寸法は実寸です。紙や画面を測って製作寸法を決めてはいけません。部分詳細図には別の尺度が付くこともあります。
03用紙サイズとゾーン
| サイズ | 寸法 (mm) | 主な用途 |
|---|---|---|
| A0 | 841 × 1189 | 大型の組立図、レイアウト図 |
| A1 | 594 × 841 | 組立図 |
| A2 | 420 × 594 | サブアセンブリ |
| A3 | 297 × 420 | 部品図(いちばん多い) |
| A4 | 210 × 297 | 単純な部品、仕様書 |
図面枠のゾーンは、大きな図面の変更箇所や部品位置を示すために使います。区画の数や記号はテンプレートで異なるため、その図面に印刷された参照をたどります。
04最初に確認する順序
- 投影法。第一角か第三角か。
- 単位。mm か inch か。混在していないか。
- 普通公差。ISO 2768 のどの等級か。幾何公差の普通公差の指定はあるか。
- 版数と日付。これは最新版か。改訂履歴には何と書かれているか。
- 材種と表面処理。寸法は処理前か処理後か。
寸法を読む前に、図番、版数、単位、投影法、普通公差を確認します。最初の短い確認が、見積り、加工、検査での大きな読み違いを防ぎます。