生産管理読了時間 12 分
OEEは分母の決め方から始まる
機械が長時間動いていても、良品の生産量が低ければOEEは上がりません。時間稼働率、性能、品質を分け、計画時間の取り方を明確にします。
01時間・性能・品質の三要素
| 指標 | 計算 | 何を差し引くか |
|---|---|---|
| 時間稼働率 | 実運転時間 ÷ 負荷時間 | 故障、段取替、材料替、待ち |
| 性能稼働率 | (理論サイクル × 生産数)÷ 実運転時間 | 空転、チョコ停、速度低下 |
| 良品率 | 良品数 ÷ 総生産数 | 不良、手直し |
| OEE | 3 つの積 | — |
02六つの主なロス
| ロス | どの率に入るか | 典型的な原因 |
|---|---|---|
| 設備故障 | 時間稼働率 | 突発停止、修理待ち |
| 段取替と調整 | 時間稼働率 | 切替、初品の調整 |
| 空転とチョコ停 | 性能稼働率 | 詰まり、センサ誤動作。1 回数十秒 |
| 速度低下 | 性能稼働率 | 道具摩耗、あるいは不安から回転を落とす |
| 工程不良と手直し | 良品率 | 条件のドリフト、材料のばらつき |
| 立上りロス | 良品率 | 起動から安定するまでの廃却 |
03OEEとTEEPの違い
- OEE は負荷時間を分母にして、「組んだシフトの時間を使い切れたか」を問います。
- OOE は操業時間(計画停止を含む)を分母にします。
- TEEP は暦時間(24 × 365)を分母にして、「この設備の能力をどれだけ使えているか」を問う投資判断の指標です。
OEEは計画した生産時間内の損失を、TEEPは稼働していない暦時間も含めた活用度を見ます。段取り替えが多い多品種少量の現場を、連続生産ラインと数値だけで比べても意味はありません。
04大きな損失から改善する
- 時間稼働率が低い → まず段取替時間です。SMED は段取作業を、機械を止めないとできない内段取と、動かしたまま準備できる外段取に分けます。内を外へ移すだけで、段取時間は半分以下になることが珍しくありません。
- 性能稼働率が低い → まずチョコ停を測ります。多くの工場は 3 分未満の停止を記録しておらず、まず見えるようにすることが先です。
- 良品率が低い → 工程能力(Cpk)と測定システム(GR&R)に戻り、工程が本当に不安定なのか、測定が誤判定しているのかを切り分けます。
05データの集め方
OEEの三要素を計算するには、稼働・停止時間、理想サイクルに対する実績、生産数と良品数が必要です。シフトや機械を比較する前に、各データの定義をそろえます。
- 状態は設備の I/O、電流センサ、CNC の通信から取ります。手書きの記録よりはるかに正確です。
- 生産数はカウンタ、センサ、実績報告から。
- 良品数は検査記録から。そしてその判定基準は図面から来ます。
品質係数の基になる合否判定には、正しい図面の規格値を使います。公差を転記し間違えると不良数が変わり、OEEの数値も実態からずれます。