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品質管理読了時間 12 分

ISO 9001の記録:実施したことを示すには

作業を正しく行っていても、記録が見つからなければ監査で説明できません。必要な証拠、保管の責任、最新版の管理を整理します。

ISO

01文書と記録の違い

文書化した情報(維持)文書化した情報(保持)
通称文書記録
性格どうやるかを定めるもの実際にやったことを示すもの
改訂するかする。版管理が要るしない。増えていくだけ
例手順書、作業標準書、図面検査記録、教育の受講記録、監査報告書
ISO 9001:2015は従来の品質マニュアル形式を必須としていませんが、指定された文書化した情報は必要です。

02ISO 9001で残す記録

  • 監視・測定機器の校正/検証の記録(7.1.5.2)
  • 力量を裏づける証拠(7.2)
  • 製品・サービスに関する要求事項のレビュー結果(8.2.3.2)
  • 設計・開発のインプット、管理、アウトプット、変更の記録(8.3)
  • 外部提供者の評価・選定・パフォーマンス監視(8.4.1)
  • 製品リリースの証拠と、リリースを承認した者(8.6)
  • 不向く場面なアウトプットの処置、特別採用の記録(8.7.2)
  • 監視・測定の結果、内部監査、マネジメントレビュー(9.x)
  • 不向く場面と是正処置の性格および結果(10.2.2)

03IATF 16949で増える要求

項目IATF の追加要求
製品安全文書化したプロセスが必要。安全部品の特別管理と、担当者の承認を含む
コントロールプラン試作・量産準備・量産の 3 段階すべてに必要で、PFMEA・作業標準書と整合していること
MSAすべての測定システムに測定システム解析(GRR など)が必要
SPC特殊特性には工程能力調査と継続的な監視が必要
PPAP新規部品と変更部品は提出して客先承認を得ること
組込みソフトウェアソフトウェア開発能力の自己評価が必要
記録の保存量産部品の記録は、生産終了後 1 年に暦年 1 年を加えた期間まで保存
工場レイアウト物流、スペース利用、同期流れの観点で評価すること
全寸法検査客先が指定する周期で実施し、記録を保持すること
IATF 16949では、自動車分野に固有の計画と記録の要求が加わります。

自動車関連の現場では、APQP、FMEA、MSA、SPC、PPAPを別々の帳票として扱えません。監査ではPFMEA、コントロールプラン、作業標準のつながりを確認します。重要特性が一方にしかない場合は、その理由を説明する必要があります。

04監査で見つかる不備

不向く場面根本原因
コントロールプランと作業標準書が食い違う片方だけ直して、もう片方を直していない
校正期限切れのゲージがまだ使われている期限到来を知らせる仕組みがない
是正処置の有効性を検証していない対策を書いただけで完了にしている
変更管理を通さずに変更している現場が「ついでに直した」
現場の図面の版がシステムと違う紙図面を回収する仕組みがない
教育の有効性評価がない受講記録しかない
供給者評価が形骸化している毎年同じものを写している
版数の不一致は文書管理の問題です。現場で使う版を確認します。

05使える記録の残し方

  1. 監査のために別の文書一式を作らないこと。日常で本当に使っている帳票に、署名・日付・版を足せば足ります。
  2. 版管理はまず図面から。いちばん問題が起き、影響も大きい項目です。
  3. 記録を電子化すること。紙の最大の問題は保存ではなく、探せないことです。
  4. 完全さより整合性。3 つの文書が食い違っているほうが、1 つ足りないことよりはるかに重い指摘です。