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自動検査読了時間 12 分

画像検査はアルゴリズムより先に撮像条件

画像に欠陥がはっきり写っていなければ、検出は安定しません。照明、レンズ、ワークの置き方を整え、判別できる画像を作ることから始めます。

Wikimedia Commons・Robotic Arm Polishing Guitars at Martin Guitar・CC BY 4.0

01解像度から検討する

アルゴリズムを選ぶ前に、欠陥が画像上で十分な画素数を占めるか確認します。視野幅を水平方向の画素数で割ると、1画素あたりの実寸の目安が出ます。そのうえで照明によるコントラストを確かめます。

項目例問うこと
視野 FOV50 mm見たい範囲
センサ2448 × 2048(500 万画素)カメラの仕様
空間分解能50 ÷ 2448 ≈ 0.020 mm/px1 画素が何 mm に相当するか
検出できる欠陥約 0.06 〜 0.1 mm安定させるには 3 〜 5 画素が必要
測定精度約 0.005 〜 0.01 mmサブピクセル処理で 1/4 〜 1/2 画素
ソフトウェアを選ぶ前に、最小欠陥に対して解像度が足りるか確認します。

02照明条件を作る

照明はアルゴリズムが見る前の画像を決めます。欠陥と背景の差が出る角度、色、拡散条件を選び、正常品のばらつきはできるだけ均一に写します。

照明手段配置得意な対象
透過照明ワークの後ろに光源外形輪郭、貫通穴、欠品
同軸照明ハーフミラー経由でレンズと同軸鏡面のキズ、印字文字
リング照明(高角度)レンズ周囲から斜め下へ表面のテクスチャ、一般外観
ローアングル照明ワーク表面とほぼ平行刻印、凹凸、エッジの欠け
ドーム拡散照明半球内壁の拡散反射曲面や高反射ワークの均一照明
構造化照明縞パターンやラインレーザを投影3 次元の高さ、平面度、体積
透過光と低角度照明は、対象によって有効なコントラストを作れます。

波長も変数です

光の色や波長に万能の選び方はありません。赤、青、赤外、紫外は材質や表面処理との相互作用が異なります。実物の欠陥とワークで候補を試してから方式を決めます。

03主な用途

  1. 有無判定。部品があるか、向きが合っているか。もっとも単純で安定し、投資対効果も高い用途です。
  2. 寸法測定。輪郭、穴径、間隔。正確なレンズ校正と、再現性のあるワーク位置決めが要ります。
  3. 外観検査。キズ、打痕、汚れ、色差。欠陥の現れ方が多様なため、いちばん難しい。
  4. 文字とコードの読取。OCR、バーコード、DataMatrix。技術は成熟しており、要は照明とコントラストです。

最初は有無判定のように結果を確認しやすい課題から始めます。光学系、固定、トリガ、データ処理が安定してから、ばらつきの大きい外観判定に進むと原因を切り分けやすくなります。

04導入前に確認すること

  • 欠陥の定義を書き出せますか。現場のベテラン同士で判定が割れるなら、システムも一貫しません。まず人の判定の一貫性を(GR&R のように)試すべきです。
  • ワークの置き方を管理できますか。ビジョンがいちばん苦手なのは位置と姿勢のばらつきです。失敗事例の多くは、ソフトではなく機構に原因があります。
  • 誤判定の代償はそれぞれいくらですか。見逃しと過検出のコストはふつう非対称で、しきい値は安いほうへ寄せるべきです。