図面管理読了時間 11 分
図面改訂:加工前に変更点を見つける
旧版の図面どおりに正しく作っても、必要な部品にはなりません。変更箇所、適用時期、対象ロットを確認し、現場に伝える方法を考えます。
01版数を確認する場所
加工前に、表題欄の版数、変更履歴、管理されているファイルの版を照合します。食い違いがあれば現場で判断せず、どの版を注文に適用するか確認して記録します。
| 項目 | 内容 | なぜ重要か |
|---|---|---|
| 版数記号 | A、B、C または 01、02 | この版を識別する |
| 改訂日 | 発効日 | 仕掛品がどの版によるべきかを判断する |
| 変更内容 | 何を、どの区画で変えたか | 1 枚を読み直さなくて済む |
| 変更区域 | 図面の区分記号(B4 など) | 図面上の位置を指す |
| 承認者 | サイン | 責任の追跡 |
02新旧図面の比較
| 方法 | やり方 | 長所 | 限界 |
|---|---|---|---|
| 目視で並べる | 2 枚を並べて一項目ずつ照合 | 道具が要らない | 遅く、見落としやすく、集中力頼み |
| 重ね合わせ | 半透明にして重ねる | 形状の変化は一目でわかる | 寸法や注記の変更は見えない |
| CAD 差分 | CAD 上で図形要素を比較 | 正確 | ネイティブファイルが要る。版の互換性問題 |
| 解析して比較 | 構造化データに解析してから一項目ずつ比較 | 寸法・公差・注記まで網羅 | 図面が正しく解析されることが前提 |
重ね合わせでは形状の移動は見つけやすい一方、公差の変更、材質の注記、データムの変更は見落としやすくなります。線の差だけでなく、文字による要求も比較します。
03客先図面での注意点
- ファイル名は rev C なのに図枠は rev B。どちらが正か。
- 客先のメール本文に「更新版です」とだけあり、添付のファイル名は前とまったく同じ。
- 同じ日に 2 つの版が数分違いで届く。
- PDF がスキャンで、版数欄が手書きで上書きされている。
改訂図の受領を管理された手順にします。図番、版数、入手元、受領日を記録し、旧版との差を確認してから現場へ配布します。基準となる版が曖昧なままでは、後工程の確認も成り立ちません。
04変更の見落としが生む損失
小さな寸法変更でも、次のような工程や文書に影響します。
- 治具・検具の修正が要るか
- 道具経路(NC プログラム)の作り直しが要るか
- 仕掛品は特採・手直し・廃却のどれになるか
- 手配済みの下流部品に影響はあるか
- 検査表と成績書を出し直す必要があるか
- 客先で初品検査をやり直す必要があるか
規制のある分野では、形状・はめあい・機能に影響する変更がAS9102に基づく部分的な初品検査につながることがあります。軽微な改訂と判断する前に、影響する特性と記録を確認します。